菓恋(かれん) ~be+ひと目惚れing~
Act.4 「喧嘩するほど仲良しこよし」
あたしが『王様のショコラ』でアルバイトをはじめてから、もうすぐ2回目の週末がやってくる。

その間もあたしに対する王子の辛口トークはずっと続いてた。


でも、それはあたしにとって、決してイヤなことではなかった。

たしかに言い方はすごくぶっきらぼうな感じだった。

でも、あたしをお嬢さま扱いしないで、逆に“ちょっと雑”に扱ってくれることが、あたし的にはうれしかったんだ。



「ねぇ、翔子。あした朋子と三人でカラオケに行かない?」

金曜日。放課後の教室で千夏が言った。

「ごめん。あした、ちょっと用事があるんだ」

「なんか最近付き合い悪くない?」

「ひょっとしてオトコができたとか!?」

「…!」


朋子のカンは意外と鋭かった。


「ち、ちがうよ、バイトだよ、バイト。週末はあたしバイトしてるんだ」

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