菓恋(かれん) ~be+ひと目惚れing~
「別に翔子はバイトなんかしなくても、おこづかいには困らないでしょ?」

「おカネのためっていうより、1回、アルバイトをやってみたかったんだよ」

「ふぅん」

「…ってか、バイト先にイケメンくんがいるんじゃね?」

「…!」


またもや朋子、ビンゴ!


「まぁ、それは二人の想像におまかせするよ。じゃ、また月曜日……いや月曜日は“成人の日”だから、また火曜日に会おうね~」

これ以上根掘り葉掘り訊かれるのはウザかったから、あたしはさっさと下校した。



そして―――――



今日は1月14日、成人の日。

その日は学校がお休みだったから、あたしは朝からバイトに出掛けた。


メイドのコスチュームに着替えて、お店に顔を出すと、小さなたくさんの箱を台車に乗せて運ぼうとしていた王子が、あたしに気づいてこう言った…、
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