運命のヒト


「茶化さないでっ」

伸びてきた手を振り払った。


「シロはあたしと真剣な話なんかしたくないんでしょ。今朝だって、あたしの気持ちすら言わせてくれなかったじゃん。だから、もういいって言ってんの」


歯がゆさが非難の言葉となって口を突く。

半分八つ当たりをしているのかもしれない。だけど、あたしにだって少しくらい言う権利はあるはずだ。

イラだつあたしに、シロの表情も固くなった。


「美園……」


今さらそんな申し訳なさそうな顔しないでよ。

そもそも、アンタが素顔を見せてくれないから、あたしは苦しいんじゃん。

< 180 / 415 >

この作品をシェア

pagetop