運命のヒト


「ひとつだけ聞かせて」

「……え?」

「たとえば俺が、お前の言うようにオバケだったり、あるいは宇宙人だったり、恐ろしい化け物だったり」

「……」

「したらお前、俺のそばにいるの、やめる?」



息ができなくなった。

深い孤独の海に引きずり込まれそうだったから。


……あぁ、そうだ。きっとこれが、シロの本当の顔なんだ。


何を抱えているのかは、あたしには計り知れなくても。

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