運命のヒト
「ムカつく、ほんとムカつく……っ。
シロ、俺みたいな男を選ぶなって今朝言ったよね」
「うん……」
「ふざけないでよ。遅いんだよ。
だってシロはもう、あたしの人生に登場しちゃったんだから。とっくに主役級なんだから」
涙声でまくしたてると、シロはまた、小さく吹き出した。
だけどその笑いは徐々に消えていき――
そして、空虚な表情だけがそこに残った。
「……美園」
ふっと寂しげな双眸があたしを映す。
怖いくらい静かな声で、彼は言った。