運命のヒト

そして、言った。


「ドジなのは子供の頃から変わらねぇ」


……涙がまた、いっきにあふれ出て止まらなくなる。


あたしが忘れた時間の中で、何度、こうして手を差し伸べてくれたのだろう。


「シロ……」

そっと手を取ったあたしは、涙で震えるでつぶやいた。



「――…“あなたなの”?」



シロが目を見開く。


そう、あたしたちが大好きな映画、【ある日どこかで】のセリフ。

ヒントはあの映画に隠されていたんだ。

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