運命のヒト

その問いかけを投げたとき、すでにシロの体はそこになかった。


だけど、ハッキリと感じたんだ。


抱きしめてくれる力強い腕。
唇の温もり。
鼓動。
そして、愛しい声を――。




時計の針が、重なった。


午前0時の鐘が鳴り響いた。




――……ひらひらと雪が舞い降りる。

あたし以外に誰もいない、静けさに包まれた公園に。


頬に落ちた雪を、あたしは指先でそっと触れた。

「シロ……」

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