運命のヒト

周囲に人はいない。

通り過ぎようとすると、ふいに遠慮がちな声で呼び止められ、思わず立ち止まってしまった。


「美園。こないだは、その……ゴメン」


思いがけない言葉にあたしは困惑する。


「酔ってたとはいえ、あんなことするべきじゃなかった。君の契約期間が終わる前に、ちゃんと謝っておきたかったんだ」


沢村さんはそう言って突然頭を下げた。

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