運命のヒト


子どもをあやすように、うつむいたあたしの髪をそっと。

優しい手だなぁ――……。


「――って、イテテテテっ!」


なでていたはずが徐々に力が強くなって、最後にはグリグリと指圧のようになった。


「何すんのっ」

「や、なんか無性にムカついて」

「はぁ!?」


なんでアンタがムカつくんだよ。

そりゃあ酔っ払いのグチはウザかっただろうけど、なぐさめてくれてもいいじゃんっ。


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