運命のヒト

「……あはっ。変なとこ見られちゃったね」

何のごまかしにもならない笑顔を浮かべ、席に着くあたし。


ここは、なじみのイタリアンバー。

高校時代の女友達5人、久しぶりに集まって、友達の結婚祝いパーティーを始めようとしていた矢先だった。


「今の女の人、美園の知り合い?」

気まずそうに友達に尋ねられる。


「あ、いや、まぁ。……彼氏の知り合い、っていうか」

……奥さん、っていうか。

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