運命のヒト

みんなから突き刺さる視線が痛くて、あたしは元気よくグラスを持ちあげた。

「と、とにかく! 早くパーティー始めようよ!
マユミ、結婚おめでと~っ!」


――って。

こんなあたしが結婚を祝っちゃダメに決まってるんだけど。


白けたムードの中、目配せし合う友人たち。至極当然の反応だ。

あたしはおとなしくグラスを下ろした。


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