桜、雪、あなた
『プロローグ』



北国の冬は 長い。

寒くて、
寒くて、

天と地の境界線のない
どこまでも果てしなく続く

白銀世界ー。

でもやがて
暖かな日差しに
降り積もった雪たちは静かに溶け始め

真っ白に染まったこの街は
ゆっくりと春色に

色付き始めていくー。



ねぇ、ヨウスケくん。



きっとあなたは
笑ってしまうかもしれないけれど、

“オンナノコ”

だなんて呼ばれるような年じゃない、
こんな大人になって

あたしね、
あなたに出会って

初めて本当に人を好きになるということを
知りました



どこにでもある

ごくごく普通の
恋物語。



でも、
あたしにとっては

たったひとつだけの恋物語ー。



ヨウスケくん、

すき



あなたに

ちゃんとあたしのこの想いが
届きますように-。





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