桜、雪、あなた





ヨウスケくんが振り向く





「あ、あたしもっ…!!」





ヨウスケんが立ち止まる





「ミオちゃん?」

「……っ…」





や、ばい。

…涙が





「…ん?」

「…はぁ…っ……」

「えっ?!てかおいっ!何で泣いてんの?!」





せめて

あたしと一緒に遊んだ時間が楽しかった

と、
それだけが聞きたくて…





「…あたしも…
楽しかった、よ」





慌ててあたしに駆け寄ってきたヨウスケくんは





「なしたのよー?」





ポンポンっ



笑いながら
あたしの頭を優しく撫でる





「大丈夫かー?」





あの時と





『はははっおれは心配してるんだからなー?』





変わらない

…大きくて
温かい、手のひら。





「………」










ー凍てつく寒さ

澄み切った空気

空へと消えていく白い息



気が付けば

はらはらと

降り始めていた

粉雪が―



冷えきった
あたしの頬に

零れた

涙が―



すぐに
冷たくなったけど

温かくて

思いが―



あなたを想う 思いが










「どうしたのよー?」





溢れ出したら

止まらなくて





『楽しかった』





………もう





「ミオちゃん?」










『楽しかった』










それだけで、

よかったのにー





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