桜、雪、あなた



「なぁーんだっつまんなっ!」

「はいはい」



どーにもこーにも素直じゃないあたしは
これだから本当に困る。


「いやーしたら合コン行こうよー!
夏来たら海行こうよー」



親友にすらそんな事を言えないなんて
もうこりゃー末期だと思うしかない。



「ミオいないとつまぁーんなぁぁぁいっ!!」

「はいはい。 てか、その前にあたしの誕生日とゆー大イベントがあるんですけどぉー」



…何だか話しているうちに段々考えるのも面倒になってきたあたしは

(考えれば考えるだけオチるし)

話題をさりげなくもう時期やって来る自分の誕生日に切り替えた。

すると、



「えーどうせぼっちじゃん」

「ひど。」

「あたしは祝わないよー。あ、クラブで祝うってゆーなら話は別だけどぉ」

「ひどっっっ!!」



なーんて
随分冷たい事を言われてしまった。

(ちぃっっ!派手好きめぇぇっ!)

…ま、まぁ。

今年はミキちゃんの言う通り、
出会いもめっきり減ったあたしをお祝いしてくれる相手なんているはずもないから

仕事入れようとしてたけど、ね




………去年は誰かと一緒に過ごしたんだよなぁ……。

んーと、確か…



「あははっ
でも実際ヨウスケくんかっこいいからねー!」

「あ、やっぱ?ミキちゃんもそう思ってた?」

「うん。結構他のテナントの人たちも噂してるの耳にするし。あんたー。取られない様にしっかり掴んでおかないとー」

「いやいや、取られるも何も!彼女いる相手に手を出す様な悪趣味はさすがのあたしでもないですー」



…あ、そうだ。アイツだ。



「あ、そっかあははっ」

「もう絶対繰り返したりしないもん!」

「あっ…そうだったよね!ごめん、ごめんっ」



去年はアイツと誕生日を一緒に過ごしたんだっけ。



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