桜、雪、あなた



「ミオちゃん、」

「うっ…うん…」





あたしはもう

うん

と、
頷く事しかできなくて





「…上手く言えなくて
ごめんな?」

「ううんっ―…っ」





驚きと、喜びが…





「ミオちゃんと一緒にいたいって

純粋に
そう

思ったんだ」





ヨウスケくんの
想いに

優しく



包まれていく…ー





「…っつ…」










―あたしの
今にも壊れてしまいそうな
何とも言えないこの気持ちが



足の爪先から熱くなる

想いが

上昇するたび溢れだす涙で

頭に、

顔に、

肩に、



降り積もる雪を

静かに
溶かしていく…―










ふっとヨウスケくんの腕の力が抜ける

思わずあたしは涙でぐしゃぐしゃになった顔で

ヨウスケくんを見上げる



視線を
あたしに落とすヨウスケくんと目が合う










「もう泣かせたりしないから」










優しく微笑む

ヨウスケくんの

初めて見る



やわらかい笑顔。





「…涙、拭こうな」

「………」





そう言って
涙を拭ってくれる
その指から伝わる愛しさが





『あぁ、これは
夢なんかじゃないんだ』

と、
教えてくれた。










「………ミオちゃん」





ーそして





「………は、い…」





もう一度
引き寄せられた

あなたの



胸の中で





あたしは、

確かに



聞いた





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