桜、雪、あなた
そして
「なっ!」
「は、はいっ…」
「違う!な?」
その笑顔を見た時
「う、うんっ」
「よしっ!合格っ!!」
あたしの中で
あたしが勝手に作り上げていた
“ヨウスケくん”
が、
見事に崩壊してしまったんだ。
それどころか
口をいっぱいに開けて笑うヨウスケくんを見て
『あたし、この人と仲良くなりたい。』
そんな事まで思ってしまった
そんなある日-。
ーそれは
乾ききった空気と
枯れ葉の匂いが混ざり合う
冬が本格的に始まる
11月の事だった。