桜、雪、あなた



………へ?



「いたんだ。前言ってた忘れられないっつった元カノ、子供2人連れてさ」

「えっ…」

「隣に旦那っぽいヤツもいたっつーか旦那だったんだけど。」

「………」



苦々しく顔を歪めるヨウスケくんを目の前に
この時のあたしの頭の中には

明日仕事だという
事も、

眠たかったという
事も、



「幸せそうに歩いてたわ」



何も なくて。



「笑えるよなぁー…」



どうしよう。



「………」



どうすればいいんだろう。



「えっと…い、いつその人見かけ……「もうどうにもなんねぇな」」

「………」

「あー。もう。まじで。何か、ごめん。」

「…べっ別に謝る事じゃあ………」



どんな言葉を掛けてあげればいいんだろう。



「…ありがと。」

「いやいや……」

「…うん。………で、さぁ……」

「……う、ん…」



や、
だけど 違うの

それよりも
もっと

そうじゃ なくっ、て



-ドクン。



やだ、
やだよ



「はぁー。何でだろうなぁ、ミオちゃん」

「…なぁに?」

「…おれ、やっぱすげーあいつの事忘れられてないんだって実感、しちゃって」



どうしてそれでもまだ、



「…うん」



ドクン
ドクン



嫌な予感がー。



「…なんだけど。………して、さぁ。今日の夜中、だったんだけど」

「…うん………」

「ちょっと前にダチから紹介された子から」



ドクン
ドクン
ドクン



「コクられて、さ。」



胸騒ぎがー。










「…付き合おうと思う。その子と。」

「………」



………ドクン。



止まらないの-。

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