§魂呼びの桜§ 【平安編】
少し眉間に皺を寄せ、瞼を閉じた表情が、得も言われぬ色香を醸し出し、
その場に集う女人はみな一様に吐息した。





まこと美しい公達よ





帝もそのような呟きを漏らした。



覚えめでたき、当世一の出世頭。





わたくしの恋した方は、なんとすばらしい方だったのか。







女御からも、何かお言葉を…





笛の音が終わった余韻の中で、帝がそう言った。


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