あなた色に染まりたい

大ピンチ

蓮のバイト以外の時間は、ほとんど一緒に過ごした夏休みも、あっという間に終わってしまった。




また一緒に大学へ通う日々。


ただ、夏休み前と違うことは、蓮と付き合うことになり、ところかまわず、人前でも手を繋いだり、腕を組んだりするようになったこと。




「ねぇ紗羽、蓮くんとはどう?」




いつものように、講義中にヒソヒソと話しかけてくる美香。




「うまくいってるよ。日に日に蓮のことを好きになっていく気がする。」


「ふふ……なんかそういう紗羽いいよ。」


「ちょっ、待て!」




美香に幸せ報告をしていると……


美香の反対隣に座っている悟が口を挟んできた。




「何?」


「何って……蓮のこと好きってなんだよ!?俺知らねぇぞ。」


「あれ?言ってなかったっけ?」




美香に言ったものは、悟にも言ってるって、勝手にそう思っていた。


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