あなた色に染まりたい
「付き合い始めたのか?」


「うん、一ヵ月くらい前から。」


「マジ?俺だけ知らなかったのかよ。」




悟は右手の指で、鉛筆をクルクルと回しながら、つまらなそうに口を尖らせる。




「てか、悟。紗羽と蓮くん見てればわかるじゃん。凄くラブラブなんだもん。」




美香にはそんなふうに見えているんだ。


なんか……嬉しい。




「でも、そっかそっか。紗羽、良かったな。俺も嬉しいぞ。」




嬉しそうにそう話す悟は、心からそう思ってくれてるって……伝わってくる。




「悟は紗羽の父かい?それとも兄かい?」


「んー、どっちだろうな。親友って枠もあるけどな。」




いつもあたしのこと気にかけてくれてる悟には、感謝しかない。




「悟、ありがとね。」


「ん……そうだ!今日は紗羽のお祝いすっか?」


「お祝い?」


「おぉ、二年ぶりだぞ?それ以上か?すげぇことじゃん。」


「そうだね、お祝いしちゃお。パーッと盛大に!」




美香と悟が、二年ぶりに恋をしたあたしのために、お祝いしてくれることになった。


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