あなた色に染まりたい
「うん、ごめんね。あたしも自分をコントロールできてなかった。」




いつも泣いてて……


いつも引きこもってて……


美香と悟が毎日のようにアパートに迎えに来て……


それでも、布団から出られない日がいっぱいあって……


記憶にない日が何日もある。




「晴希も支えてくれる人が見つかるといいね。」


「……なぁ、それって大輝さんとのことだろ?そんなに辛い思いをしてたのか?」




晴希があたしの顔を覗き込みながら言う。




「……」




晴希だけ知らないもんね。


こんなに仲が良くなるなんて思わなかったから、詳しい話は一切していなかった。


でも、今こうやって一緒にいる時間が増えたし、きっとこれからも晴希とはずっと一緒にいる気がするから、ちゃんと話してもいいかなと思えた。




「前に晴希にはさ、“振られた”って言ったんだけど……ホントは“捨てられた”の方が正しいのかもしれない。」


「何だよ、それ。」




晴希は予想もしていなかったのか、眉間にシワを寄せる。




「浮気現場を目撃した上に、別れ話もなくさようならだったから。」




あー、涙が出そう。


無意識に顔が歪んでしまう。




「紗羽、大丈夫?」




蓮が心配そうにあたしの顔を覗き込んでくる。




「うん。」


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