あなた色に染まりたい
「さぁ、飲むぞぉー!蓮くんはアルコールイケるの?」




相変わらずテンションが高めの美香。




「まぁまぁイケます」




イケるんだ……未成年なのに。


でも、凄く強そうには見える。


きっと外見が大人びているせい。




「紗羽も座って!今日は飲むよ」


「うん」




とりあえず、飲んだ。


大輝を忘れられない、その心を忘れるために飲んだ。






「紗羽……紗羽――…」




美香が呼んでる。


でも、なぜかその声がだんだん大輝の声に聞こえてきた。




「…大……輝?」




また、涙があふれてきた。


このまま寝ると、起きたときに目が腫れちゃうなぁ……なんて、どこか冷静に考えてる自分もいた。








何となく肌寒い気がして、意識が戻ってくる。


でも……まぶたが重い。


やっぱり腫れちゃったのかな。


床にそのまま寝ちゃったから、体も痛い。




重いまぶたを開けると、目の前には蓮くんの寝顔があった。




「え」




しかも腕枕されてるし……あたし、何かしたんだっけ?




……あまり記憶がない。
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