あなた色に染まりたい
「あたしは蓮が好きなんだよ?正直……、大輝にプロポーズされた時は、ドキドキした。だって、そんな経験ないし、以前はホントに大好きだった人からの、プロポーズだったから」




目をそらしてる蓮の顔を、真っ直ぐ見ながら話す。




「たぶん……今の大輝と結婚したら、絶対に大切にしてくれるだろうし、幸せになれると思う。でもね……」




ずっと目をそらしていた蓮が、こっちを見て……視線がぶつかる。


そのまま、蓮の目を真っすぐ見つめながら……




「あたしは……蓮のことが好きなの。今のあたしには蓮しか考えられない」


「紗羽……」


「だから、ちゃんと断る」




自分の意思を、はっきりと蓮に伝えた。


蓮もあたしの目からそらすことなく、口を開いた。




「後悔しねぇの?」


「後悔、しないよ?だって、あたしには……蓮しかいないんだもん」




蓮はあたしをギュッと抱き締めてから、“チュッ”と触れるだけのキスを落とした。


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