あなた色に染まりたい
「あれ、蓮は?」


「また寝た。なんか寝呆けてたみたい」


「そっか」




晴希と軽く朝食を作りながら、いつものノリで話をし始めた。




「紗羽ってさ、今まで付き合った男は何人?」


「突然何?」




あまりにも突然に、予想もしないことを言い始めたから、手を止めて、晴希の顔を見上げた。




「いや、何となく聞いてみたくなった」


「じゃあ……晴希が先に言いなよ。何人?」




なんだか照れ臭くて、晴希にふる。




「俺は五人」




晴希、結構いるんだ。


女の子といる姿をほとんど見たことなかったから、全然いないと思っていた。




「そうなんだ。大学で何人?」


「二人」


「えっ、そうなのっ!?全然知らなかった」




いつ、付き合ってたんだろう。


思い出してみるけど、そういう光景は出てこない。




「紗羽は?」


「あたしは四人。でも最初の二人とは付き合ったって言えないかも」


「何で?」




一人目は中三の時。


お互いに照れちゃって、一緒に帰ったりとか、デートしたりとかほとんどなかった。


たった一ヵ月で自然消滅。


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