あなた色に染まりたい

「美香はいつも綺麗にお化粧してるもんね」


「化けてるだけだろ？」




やっぱり晴希が突っ込む。




「晴希、ムカつく！」


「だってさ、違いすぎるだろ。詐欺だ詐欺」


「なんかさぁ……晴希って、紗羽に対する態度とあたしに対する態度、違いすぎない？」


「んなこと言ったら、美香もそうじゃん。悟と俺じゃ雲泥の差じゃねぇか」


「当たり前でしょ！」


「俺も同じなんだよ。当たり前ってこと」


「やっぱ、ムカつくぅー！！」




いつものごとく、美香が頬を膨らませながら晴希と言い合ってるのを見てると……




「ふふ」




思わず笑みがこぼれた。




「ちょっと！紗羽は何で笑ってんのよ！？」


「なんか、こういうのいいなって思ったの」


「何でよ！」




美香は、さらに頬を膨らませた。