あなた色に染まりたい
会場から外へ出ると、蓮が壁に寄り掛かって待っていた。




「蓮!!」


「紗羽、卒業おめでとう」


「ありがとう」


「紗羽、すっげぇ綺麗じゃん。似合ってる」




蓮の柔らかい笑みに、その言葉に、顔が熱くなるのを感じる。




「蓮にそう言ってもらえるのが、一番嬉しい」




「ほらそこ!熱いよ!」




美香が冷やかし半分に言ってる声が、耳に届いた。






やっぱり夜はみんなで飲もうってことになって、悟んちに集まった。


社会人になったら、こうやって集まることも減るんだろうなぁと思うと、急に寂しくなった。




「美香は入りたい会社に入れて良かったね」


「うん、結構競争率高かったからね」




美香はずっと入りたいって言っていた、化粧品会社への入社が決まってる。


大好きな化粧品に囲まれて、販売員として働くのが夢なんだって。


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