あなた色に染まりたい
「晴希はいつになったら、独り身を卒業できるんだろうねぇ」




美香がちょっぴりからかうように言う。




「俺、しばらくは一人でいいや」


「何で?」


「めんどくせぇし」




ふいっと顔をそらしながら言った晴希に、やっぱり美香が突っ込む。




「そんなこと言って、ただ単に紗羽のことが諦められないだけなんでしょ?」


「そうとも言うな、はは」




晴希はこう言ってるけれど、あたしは晴希にはホントに幸せになってほしいと思う。








晴希との出会いは、サークルの初めての飲み会だった。


第一印象は、普通にカッコいいと思った。


話もうまいし、まわりを盛り上げるのも上手だった。


一年なのに、先輩たちともすぐに仲良くなって、美香としかちゃんと話せないあたしとは正反対だった。


それでも一ヵ月経てば、人見知りの激しいあたしでも、話のうまい晴希とはそれなりに話せるようになった。


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