あなた色に染まりたい
でも……


あたしだって、ちゃんと考えてこの服を着てきた。


蓮とのデートだから、可愛く見られたくて、一生懸命選んだのに。



「蓮のバカ」


「は?」


「女心わかってない」


「……んだよ、女心って」



蓮は眉間に皺を寄せた。



「いつだって、好きな人の前では可愛くいたいの」


「……」



黙りこくった蓮。


でも……



「なぁ紗羽、俺はさ、どんな紗羽でも可愛いって思うし、すっげぇ好きだよ?」


「なっ!」



蓮のこの言葉に、あたしの方が恥ずかしくなって、頬がかぁぁって熱くなる。


いつも思うけど、蓮ってほんとにストレート。



「そういうふうに俺の言った言葉で、真っ赤になる紗羽も好き。すっげぇ可愛いって思う」


「も、もうやめてっ!!」



あたしの心臓がもたない!



「今日絶叫系は、これだけにしとくからな」
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