あなた色に染まりたい
そこまで言った蓮は、眉間に皺を寄せた顔を、背けた。




「蓮?“それに”何?」




そらした顔をまた元に戻して、あたしに視線を合わせながら




「俺だって、年下ってことは気になってるし、……いつか年上の大人の男が現れて、紗羽をかっさらっていくんじゃねぇかって、いつも不安だよ」




やだ、どうしよう。


目の前の蓮が愛しくて仕方ない。


ぎゅっと抱き締めたい。


あ……


こうやって“抱き締められたい”じゃなくて“抱き締めたい”って思うところが、やっぱり年上なのかな。





お互いに同じ不安を抱えて過ごしていたなんて、ちょっと笑える。


でも、気が合うのかなって、嬉しくなったりもする。


このままずっと一緒にいられたらいいな。
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