あなた色に染まりたい
つーか、紗羽は今日のデートを覚えているんだろうか。


紗羽が働きはじめてからは、平日はほとんどデートをしなくなった。


俺がバイトをしてるせいもあるけれど、何より無理をさせたくないと思ったからだ。


一緒にいたら、どうしても紗羽に触れたくなるし、……抱きたくなる。


バイト帰りに寄ると時間も遅いし、ぜってぇに無理をさせる。


学生の時とは違って、紗羽は働いているんだから、その辺はわきまえねぇと。


だから、平日は会わないことにした。


つっても、たまに合鍵を使って、紗羽の寝顔を見に行く。


そんな時は、触れるだけのキスをして帰ってくるんだ。


こんなことしてるって紗羽が知ったら、引かれるんだろうな。


でも、好きなんだからしょうがねぇ。


どうしても触れたくなるんだ。
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