あなた色に染まりたい
気が付けば、蓮と付き合い始めてから、一年八ヶ月が経った。


もうそんなに経ったんだ……


と思いながらも、


もっと一緒にいる気がするなぁ……


なんて、思ったりもする。




初めて蓮と会ったのは、入学式でサークルのビラ配りをしていた時だった。


とりあえず手元にあるビラをすべて配らなきゃ……と思いながらも、ボーッとしていたあたしに、蓮が声をかけてくれた。


しかも、その前に桜の木の下で涙を流していたのを、見られていたんだ。




もし……


桜の木の下で、蓮があたしを見つけていなかったら……


あたしは今、どうしてるのかな。




今でも、涙を流してたのかな……?


それとも、やっぱり蓮がそのあとにあたしを見つけてくれてるのかな。




……きっと、後者の方。


だって、蓮はあたしと出会ったことを『運命』だと言ってくれたから。
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