あなた色に染まりたい

LOVE2

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一週間後……


二年前に一緒に泊まった温泉へと向かうために、蓮の車に乗り込んだ。


でも、エンジンをかける前に蓮は、眉をハの字に下げながら申し訳なさそうに口を開いた。



「紗羽、温泉の前に一つ寄りたい場所があるんだけどいい?」


「寄りたい場所?」



ゴールデンウィーク真っ只中の今、どこも渋滞にハマるのは目に見えているのに、そんな中でも寄りたい場所があると言った蓮。


どこだろうと首をかしげる。



「手違いがあってさ」


「手違い?」


「いや、わざとだと思うんだけどさ」


「何のこと?」



蓮の中では話が出来上がっているんだろうけれど、あたしにはさっぱりで……


つい、眉間に皺が寄ってしまう。
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