あなた色に染まりたい
「行きたい」


「よし、じゃあ行こうぜ?」


「うん!……あ、でもちょっと待って。今から温泉なんてとれないでしょ?……って、前にもこの台詞、言わなかったっけ?」



と言いながら、首をかしげる。



「はは、確かに聞いた」


「だよね。とれるの?」


「宿泊券は前回も今回も貰ったものなんだ」



貰い物?


そうだったんだ。


だから、ぎりぎりでも大丈夫なんだね。



「あっでも、旅館が前回と一緒だけどいい?」


「全然構わないよ。温泉に入れるだけでも嬉しいもん」



温泉大好きなあたしにとっては、そんなことはなんの問題にもならない。


それに、蓮と一緒なら行き先だって、泊まる場所だって、どこでもいいんだ。
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