あなた色に染まりたい
自分の浴衣を見ると……




「わわわっ!」




すっかりはだけてて、下着が丸見えだった。


忘れていたけれど……あたし、かなり寝相が悪かったんだ。




「見苦しいものを見せちゃったね、あは」


「見苦しいなんて、むしろ得した気分」




なんて、さっきの真っ赤な顔はどこかへいっちゃって、今は余裕の笑みを浮かべている。


そんな蓮にドキドキしながらも、何もないように言葉を発する。




「あはは、こんなんで得しちゃうの?」


「もちろんだよ。俺は紗羽さんのすべてが見たいから」




ドキンッ―…




蓮のストレートな言葉に胸が高鳴る。


そんなことを言われたら、あたしの心臓が壊れちゃうよ。




それから朝食を食べて、少しのんびりしてからチェックアウトした。




この温泉旅行の間、あたしはずっと蓮にドキドキしっぱなしだった。


二人で旅行という雰囲気がそうさせているのか……


それとも……


“恋”なのか……




でも大輝への気持ちは、好きで好きでたまらなくて、ずっと傍にいたかった。


蓮は一緒にいると安心する……ただ傍にいてほしいって感じるだけ。


大輝を想っていた時の気持ちと全然違うから、恋とは違うのかな……
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