あなた色に染まりたい
大輝の時は、とにかく好きで好きでしょうがなかった。



毎日、一日中大輝のことばかり考えて……


いつも一緒にいたくて……


会えばずっとくっついていたくて……


二人きりになればキスばかりして……



とにかく傍にいないと不安だった。





でも、蓮は違う。



四六時中蓮のこと考えてるわけじゃないし、触れたいとかキスしたいとか思わない。



でも……講義中は別として、毎日朝は起きた時から、夜は寝るまで一緒にいるから、いない寂しさとかわからないのかもしれない。



だとしたら……



あたしは首を横に振った。



そんなはずはない。



「紗羽さん?一人の世界に入ってる?俺、今マジ告白したんだけど、流されてねぇよな?」



「え!?いや、そういうわけじゃ……」



どうしよう……



あたし、物凄く動揺してる。



それを隠すために出た言葉が――…



「蓮の誕生日、海でも見に行く?」



って、あたしは何を言ってるの!?



そんなあたしに、蓮はため息混じりに口を開いた。



「やっぱ流されてんじゃん。……まぁいいや、うん、海行こうぜ。」


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