あなた色に染まりたい
「ねぇ、蓮の誕生日っていつ?」


「7月12日。」


「え!?もうすぐじゃん!」



いつも蓮に甘えてばかりだから、あたしも蓮のために何かしたくて……



でもカレカノってわけじゃないから、なにかきっかけがほしくて聞いた誕生日。



来週じゃん!!



しかも、飲み会の翌日。



「何かほしいものとかあるの?」


「ほしいもの?……うーん。」



あたしから視線をそらし、考え込むような体勢をとった蓮。


でも、すぐに見つかったようで……



「あ、あった……ひとつだけ。」


「なになに?」



あたしが詰め寄って聞くと、蓮は真剣な顔をして、あたしを見つめながら……



「紗羽さん……俺は、紗羽さんしかいらない。」



トクン―…



と、胸が音を立てた。



何?今の……



ドキドキドキドキ……



途端に、心臓が暴れ始めた。



何これ……



ちょっと!これじゃ、あたしが蓮のことを好きみたいじゃない!?



えっ、好きなの!?



でも、大輝を想っていた時の気持ちとは全然違うし。


< 61 / 423 >

この作品をシェア

pagetop