あなた色に染まりたい
そんなあたしの様子に、蓮は心配そうに顔を覗き込んできた。



「紗羽さん、大丈夫?」


「うん。」



蓮の肩に触れている頭から、蓮の温もりが伝わってきて、凄く安心する。



「紗羽っていつもはつぶれねぇのにな。」



そう言ったのは隣に座る晴希。



「あーでも、一度だけあったじゃん。」



晴希の前に座ってる、同じく四年の峻一(シュンイチ)が思い出したように口を開く。



あたしは嫌な予感がして、蓮から離れ峻一を見た。



「あん時は大変だったよな。競争率の高い紗羽を誰が介抱するかって、みんなで争奪戦になってさ。でも大輝さんにあっさりとられたんだよな。」


「そうだそうだ!次に会った時には、付き合い始めたとか言うしさ。あれは大輝さんにしてやられたよな。」



晴希と峻一が笑いながら話してるのを、なぜか遠いところで聞いてるような……そんな感覚に陥った。


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