あなた色に染まりたい
 「はい、よろしくお願いします」



しばらくして蓮くんと入れ替わるように、美香と悟がやってきた。



「どこに行っていたの? また二人でイチャイチャしてたんでしょ?」



そう言うあたしに、美香は嬉しそうに答える。



「あっバレた?」


「もう! そこは当たってても否定するのっ!」



この二人は付き合っている。


もう二年半になる。


愛というものを信じられなくなったあたしでも、この二人の愛は永遠なんじゃないかって思えるほど仲がいい。



「いつまでも仲いいね」


「紗羽も恋しなよ?」


「あたしはもういい」



美香も悟も、大輝とあたしのことは知っている。


どんな付き合いをしていたかも、どんな別れがあったかも……


すべて知っている。



「紗羽」


「美香、そんな泣きそうな顔しないでよ」


「だって……」
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