あなた色に染まりたい
あたしが失恋した日、美香はずっと泣き続けるあたしの傍にいてくれた。


どれだけ時間が経っても、なかなか忘れられなくて、以前のように笑えなくなった。


そんなあたしを心配して、美香と悟はいつも一緒に過ごしてくれた。


何度もデートの邪魔をした。


でも二人は何も言わずに、傍にいてくれた。


そんな二人に、なんとかしなきゃと思えるようになったのは……、大輝と別れてから半年が経った頃だった。


二人には迷惑をかけたくなくて、泣くときは一人の時。


というより、一人になると思い出してしまうから泣いちゃう。


それでも別れから一年経つ頃には、気持ち的にだいぶ楽になっていた。



でも……


今日のように、ピンク色が視界いっぱいに埋め尽くされた時、思い出してしまうんだ……あの光景を。

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