奇跡みたいな奇跡
「なぁ、乃ノ香」
私達は、卒業式でもらった
茶色い筒を手にして
最後の中学校にお別れを
告げようと2人でグランド
にきていた
「え? なに?」
たっちゃんは雪が舞い降りてくる
曇った空をみあげていた。
「俺たちまた同じ高校だなぁ」
私もたっちゃんにつられて・・・
できるだけたっちゃんと同じ所を見たくて
見あげた
「俺、本当は乃ノ香を
誰かにとられたくなくて
同じ所に行ったんだ」
そうだったの?
私をとられたくなくて?
すごくものすごく
うれしい
「大丈夫だよ、私はたっちゃん
以外の男子は興味ないから。」
私はたっちゃんの方をむいて
微笑んだ
たっちゃん本当に大丈夫だよ・・・
たっちゃんは私の方をむいて
私の頭をくしゃっとなでてくれた