恋の魔法と甘い罠
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慎也さんは午前は寝ていることが多いと言っていたので、翌日、昼を過ぎた頃、腕時計を持ってアパートを出た。


いまだかつて、慎也さんの家へ行ったことはない。


だからいまいち場所もわからない。


ほんとは連絡してから行こうかなって思ったんだけど、吃驚させたくてそれはやめておいた。


たまには、自然体の慎也さんを見てみたいっていうのもあった。


手帳にメモした住所をたよりにバスに乗る。


しばらく走ると、私が見たこともない景色が広がってきた。


あたしが住んでいる住宅街とは違って、ショッピングモールがあったりいくつものオシャレな飲食店が立ち並んでいたり……


物凄く発展した街なんだとわかる。


それからすぐにバスを降りて辺りを見渡す。


ここが慎也さんが住んでいる街なんだと思うと、自然と頬が緩んできた。
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