恋の魔法と甘い罠
そう考えているあたしをよそに、和泉さんはもうこのあとのことを考えていて、



「玲夢? 行きてぇとこはある?」



そう訊いてきた。


だからあたしもそれについて考えてみるけれど……


『わんわん泣ける場所』ということをキーワードにしてみると、自分のアパートくらいしか思い付かなくて。


でも、いくら記憶のないときに身体を重ねてしまったとはいえ、和泉さんとあたしは「じゃあ、あたしのアパートに来る?」なんて言えるような関係ではない。


だから他にどこかないかなぁ……と考えていると



「この間のバーはどう?」


「えっ」



この間のバー?


それって……



「FLOWER RAIN?」


「ん、そう」



和泉さんにそう言われて、そういえばあのバーにはちょっと奥まった席があったなぁとは思ったけれど、



「席はもう埋まってるんじゃないですか?」



この間行ったとき、だんだん混み合ってきて、今くらいの時間のときにはもう満席に近かったような気がする。
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