恋の魔法と甘い罠
そしてそのまま強引に唇を重ねた。



「……んっ……やっ!」



慌てて慎也さんの胸を押したけれど、その腕を捕まれてまた押し付けるように唇を重ねる。


このままじゃいつものように流されてしまう!


だから必死に離れようともがいてみるけれど、それ以上の力で押さえ付けられているから全く状況は変わらない。



そうこうしているうちに、強引だったキスも少しずつ包み込むようなやさしいものに変わっていく。


頭の中では、



やばいっ! 離れなきゃ!



って思っているのに、こんなにやさしいキスをされてしまったら、つい愛されていると勘違いしそうになる。


だけどあたしの脳内ではあのときの光景……慎也さんの家の庭で見た仲睦まじい二人の姿が映し出されていて。


やさしいキスを受けながらも、胸はずきずきと痛み始めた。
< 144 / 357 >

この作品をシェア

pagetop