恋の魔法と甘い罠
そんなあたしを見て、その人はふっと笑みを浮かべながら



「じゃあ、こちらへどうぞ」



カウンター席の一番隅っこの席へと促した。


その場所に座ると、おしぼりを持ってきたさっきのイケメン店員がそれを手渡しながら口を開いた。



「何にしますか?」


「えっと……」



視線の先にあるボードに書かれたメニューを見ながら、どれにしようかと頭を捻らせる。


アルコールは凄く好きなんだけれど、それに反してすぐに潰れてしまうほどに弱いからあまり飲めない。


とりあえずモヤモヤした気持ちをすっきりさせたかったから、甘酸っぱそうなカクテルを注文した。
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