恋の魔法と甘い罠
「……お客様……」



遠くで声はするんだけれど、瞼を上げることはもちろん声を出すこともできなくて。


それでも遠くなる意識の中で一生懸命瞼を上げようと頑張ってみる。


そして、一瞬だけうっすらと光が飛び込んできた……と同時に



「あれ?この子……」



視界に入ってきた男の人の呟いている声が耳に入ってくる。


あ……、この人、知ってる……。


確か……



そのまま、重力に負けて瞼が落ちると同時に、意識も手離してしまった。
< 27 / 357 >

この作品をシェア

pagetop