恋の魔法と甘い罠
和泉さんの予想外の反応に、その先の言葉を口にすることはできなくて。


そのまま視線をそらしてしまった和泉さんの横顔を見つめる。


あたしがあまりにもじっと見ていたからか、和泉さんがあたしの視線に気づいてちらりとこっちを見た。



「ん? 何?」


「えっと……さっきのって……和泉さんは課長のことを忘れたのか? って訊いたんですよね?」


「ん、まあ」


「だから『忘れた』って言ったんですけど」


「……」


「和泉さん?」


「……わりぃ。ちょっと意味がわからなくて」



和泉さんはさっきと同様に眉を寄せて首を傾げながらそう言うけれど、あたしからしたら和泉さんのその反応の方が意味がわからない。
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