恋の魔法と甘い罠
「玲夢」



襖に手をかけて、それを開けたとたんかけられた声。


どきどきと高鳴る鼓動を押さえながら、ゆっくりと振り返る。



「明日はどうしてる?」


「え」



明日……


明日は土曜日だけれど、特に何もない。


慰安会のあとだから、家でのんびり過ごせばいいや、って思っていた。



「何も……」


「じゃあ、うちに来いな」


「え!」



予想外の言葉に、また心臓がドキンッと大きく跳ねた。



「じゃあ、おやすみ」



いつの間にか距離を詰めていた和泉さんは、そう言ってあたしの額にちゅっと触れるだけのキスをした。



「なっ!」



アルコールで十分に赤くなっているだろう頬が、さらに熱くなる。


それを隠すようにぱっと顔をそらしながら「おやすみなさいっ」と言って、和泉さんの部屋を出た。


出る直前、和泉さんの可笑しそうな笑い声が聴こえた。
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