恋の魔法と甘い罠
「もし次また名字を言ったら、その度に俺の言うことを聞いてもらうからな」


「えぇっ!」



名前で呼んだこともないのに、次から……なんて、絶対に無理に決まってる!



「和泉さんの言うこと……ってどんなことですか?」


「早速言った」


「あ」



口端ににやりとした笑みを浮かべた和泉さんに、思わず身を引いてしまう。


けれど、



「逃がすわけないだろ」



そう言って、肩に回った腕を引き寄せた。



「じゃあとりあえず、俺のどこを好きになったか言ってみて」


「えっ!」


「最初はこのくらいが妥当かなと思ったんだけど。それとも……」



そう言いながら、あたしの腰に腕を回して引き寄せた和泉さんに、とっても嫌な予感がして、



「そっ、それでいいですっ!」



慌ててそう言って、目の前の和泉さんの胸を押す。


といっても、がっしりと腕を回されているから、押したところで距離が変わるわけでもないんだけれど。
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