恋の魔法と甘い罠
一度和泉さんに抱かれているからほんとなら今日は二度目のはずなのに、そのときの記憶がないあたしにとっては初めてと同じで。


なのに、こんなに感じて声を出すなんて恥ずかしくて、思わず名前を呼んだけれど、



「また、名字」


「あ」



そんな話をしていたことなんてすっかり頭から抜けていた。



「玲夢」



乱れた呼吸を治めるように小さく深呼吸していると、和泉さんは左手であたしの右頬を覆いながらやさしく声をかけてきた。


その声につられるように和泉さんへと視線を戻すと、



「玲夢からキスしようか」



やさしい声とはかけ離れたニヤリとした笑みを浮かべながら、またあたしの両手首を掴んで自分の首に絡ませた。
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