恋の魔法と甘い罠
そしてそのまま視線をそらして、またビールを喉に流し込んだ和泉さん。


そんな姿をちらりと見ながら、頭の中には慎也さんとのことがパッと浮かんできた。


和泉さんは慎也さんとのことを話してほしそうだけれど、いったい何からどう話せばいいんだろう……と頭を悩ませる。


ただ、


失恋しました。
でもまだ好きなんです。


なんて話したところで、こんなことは和泉さんだってもうわかっているだろうし……。


だからといって出会いから話したりしたらめちゃくちゃ長くなる。


どうしたらいいんだろう。


なんていろいろ考えていたら、



「課長とはいつから?」



と、和泉さんの方から訊いてきた。


何から話せばいいのかわからなかったから、ちょっと助かったなと思いながら口を開く。



「半年くらい前です」


「へぇ」



あたしの言葉を聞いて、一瞬パッと目を見開いてそう言った和泉さん。


すぐにそれは細められたけれど、もしかして予想外の答えだったのかな。
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